01.イタリア映画とイタリアPOPS / 
~ ”きいてみ~よ!” イタリアPOPSのススメ 2012 ~ 第1回
《Piccola RADIO-ITALIA(ピッコラ・ラディオ=イタリア)》

2012年度1回目のコラムは、イタリア映画とイタリアPOPSの関連性について。

19世紀末に発明された映画技術は、20世紀初頭から一気に普及して世界を席巻します。 そして映画界が1930年代に音声付きのトーキーの時代に入ると、音楽の国と称されるイタリアでは特に、 映画と音楽は最初から密接な関連を持ち、映画主題歌がヒットするようになりました。 現在のイタリア音楽においてスタンダードナンバーとなっている"Parlami d'amore Mariu`(マリウ愛の言葉を)"、 "Ma l'amore no(けれど恋は)"、"Non ti scordar di me(忘れな草)"などはこの時代の映画の中で生まれた楽曲だったのです。

やがて1940年代にイタリアで沸き起こったNeorealismo(ネオリアリズモ)のムーヴメントは、 世界各地に飛び火してヌーヴェルバーグ現象を開花させるなど、世界の情報発信地としての役割も担いました。

その後のイタリア映画界は、ネオレアリズモの重苦しいテーマへの反動のせいか、Commedia all'italiana(イタリア式コメディ)、 Spaghetti Western(和名:マカロニ・ウェスタン)、Giallo(イタリア製ホラー)などにシフトし、 ややB級的な評価に甘んじながらも世界的には一定の成功を収めたと言えるでしょう。

一方、前出のように1930年代に映画主題歌として大流行したイタリアPOPSの変遷はというと、 第二次世界大戦の敗戦後の暗い世相を払拭する目的もあり、ラジオからは盛んにイタリア歌謡が流れるようになりました。

1951年からサンレモ音楽祭が始まり、そのTV放映も開始されるようになると、特に1960年代のイタリアは、 世界のヒット曲の量産地となるほどの隆盛を迎えました。 当時のトップスターたちが主演して歌を披露するといった、歌謡映画のタイプも数多く制作されました。

こうして、1970年代頃までのイタリア映画やイタリアPOPSは、日本人にもとても親しみを持たれていた身近な存在だったようですが、 1980年代に入ると、イタリア製の映画も音楽も急速に普及の場が失われてしまいました。

アメリカ文化が世界的に席巻するようになると、特にアメリカの影響力が強い日本では、 残念ながらこれらイタリアのPOPカルチャーの紹介が途絶えてしまうことになりました。

しかし、Giuseppe Tornatore(ジュゼッペ・トルナトーレ)監督の『Nuovo Cinema Paradiso(ニュー・シネマ・パラダイス)』(1989年作品)がアメリカでアカデミー外国語映画賞を獲得したことから、 1990年代のイタリア映画界に少しずつ陽の光が戻って来るようになりました。

日本では2001年に始まった『イタリア映画祭』が、イタリアで前年公開したばかりのイタリア映画作品などに触れる機会を提供してくれるようになり、 一般劇場で公開される作品も増えて来ています。

そして特に2000年代以降のイタリア映画には、イタリアPOPSと密接な繋がりを持つ作品が目立つようになってきた特徴があります。

イタリアのRockスターLigabue(リガブエ)自身がメガホンを取った作品『Radiofreccia(ラジオフレッチャ)』(1998年作品)は、 イタリア映画祭初年度 (イタリア映画祭2001サイト) に上映。



『La febbre(マリオの生きる道)』(2005年作品)では、当時新進のバンドNegramaro(ネグラマーロ)の楽曲を全面的に採用し、Negramaro人気のブレイクにも大きな貢献を果たしました。イタリア映画祭2006 (イタリア映画祭2006サイト) で上映されました。



『Il divo(イル・ディーヴォ)』(2008年作品)では劇中、Reanato Zero(レナート・ゼロ)の"I migliori anni della nostra vita(我が人生最良の歳月)" が劇中の重要な演出として採用されていました。イタリア映画祭2009 (イタリア映画祭2009サイト) で上映されました。



イタリア映画祭2011 (イタリア映画祭2011サイト) には、イタリアPOPSを抜きにしては語れない映画作品がこぞって上映されるに至りました。

往年のイタリアPOPSのヒット曲名をタイトルに据え、 楽曲の主題そのものを物語の中心に大きく据えたタイプの映画作品は『La prima cosa bella(はじめての大切なもの)』(2010年作品)と 『Figli di stelle(星の子どもたち)』(2010年作品)の2作品。詳細は筆者の公式サイト (第72回イタリアPOPSフェスタ(2011年5月)レポート その2)をご参照ください。

そして映画と楽曲を同時進行で制作し、互いにクロスオーヴァーした作品としては、『L'ultimo bacio(最後のキス)』(2001年作品)、
その続編にあたる『Baciami ancora(もう一度キスを)』(2010年作品)、そして『Mine vaganti(あしたのパスタはアルデンテ)』(2010年作品)の3作品。
詳細は筆者の公式サイト (第72回イタリアPOPSフェスタ(2011年5月)レポート その3) (第72回イタリアPOPSフェスタ(2011年5月)レポート その4) をご参照ください。

さて、本年2012年のイタリア映画祭 (イタリア映画祭2012サイト) で上映される作品の中には、 筆者が独自の事前調査した限り、イタリアPOPSと絡んでいる作品が5タイトルあると考えられます。

『何もかも音楽のせい(Tutta colpa della musica)』(2011年作品)
『錆び(Ruggine)』(2011年作品)
『気楽な人生(La vita facile)』(2010年作品)
『楽園の中へ(Into paradiso)』(2010年作品)
『シャッラ/いいから!(Scialla!)』(2011年作品)

詳細は、詳細は筆者の公式サイト (イタリア映画祭2012で上映されるイタリアPOPS関連作品) をご参照ください。


ぜひ記事にお目通し頂いてからイタリア映画祭2012での上映作品を鑑賞される事をお勧めいたします。

Piccola RADIO-ITALIA
YoshioAntonio こと 磐佐良雄
『ピッコラ・ラディオ=イタリア』
http://piccola-radio-italia.com/

***** ~イタリアの音楽を、知る・聴く・観る!~『イタリア音楽&イタリアンブランチ』開催のお知らせ *****

当Piccola RADIO-ITALIA主宰のYoshioAntonioこと磐佐良雄が、日伊文化交流サロン アッティコに於いて開催する音楽イベントです。

第1回目:1980年代~現代のイタリアンポップスを知ろう!
貴重なイタリアトップアーティストたちのライブ映像やビデオクリップを鑑賞しながらイタリアンブランチ!
音楽を背景に当時のエピソードやイタリアのサブカルについて日本語で補足解説いたします。
期日:2012年5月27日(日) 13:00-14:30
定員:15名
参加費:4,000円 ※イタリアンブランチ&グラスワイン1杯が含まれます。

第2回目:1970年以前のナポリカンツォーネを知ろう!
カンツォーネの魅力、歴史、時代背景について日本語で解説。
その後はたっぷりとイタリア国家より『騎士(cavaliere)』を受勲された歌手・青木純さん
(公式サイト) のライブを満喫しながらイタリアンブランチをどうぞ!
期日:2012年6月24日(日) 11:00-13:00 または 15:30-17:30
定員:20名
参加費: 5,000円 ※イタリアンブランチ&グラスワイン1杯が含まれます。

会場:日伊文化交流サロン アッティコ http://www.attico.net/
東京都中央区日本橋馬喰町2-7-13 ミリナービル7階

お申込み:日伊文化交流サロン アッティコ http://www.attico.net/
TEL 03-5652-3331 mailto:corso@attico.net


”きいてみ~よ!” 
~ イタリアPOPSのススメ 2012 ~ 第1回
2012-04-20

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