~ 翻訳されている16言語 ~ ~ 本作に登場する映画作品と登場場面リスト ~


~ 物語に登場する映画作品 ~

寄稿:大谷 敏子(本作品の翻訳者)

この本は映画からの引用がたくさんあります。残念ながら私は映画ファンではないので、 なつかしい映画というのはほとんどなかったのですが、 ファンの方にとっては映画の記憶を取り出して眺めるのも楽しいことなのでしょうね。 映画マニアの友人は「過去の力」を読んで、なじみの映画がたくさん出てくるので 「塩昆布つまみながらお汁粉食べてるみたいな」極楽を味わってくれたそうです。
そこで一体どれだけの映画が登場したのか一覧してみることにしました。 テレビ番組も出てきて、こちらの方は年齢的に近いので私も記憶がある物が多かったです。


ページ 映画名(原題)、俳優等 物語での場面や役割
P16 帰ってきたシャドーマン
[Il ritorno dell'uomo-ombra, TV series The thin maか?]
父母とケーキを食べながら見た
P19 スタンリオとオッリオ
(ローレルとハーディ、極楽コンビ)
[Stanlio&Ollio, Laurel&Hardy]
混乱した行動の説明
P23 アンタッチャブル
(ケヴィン・コスナー)
[Intoccabile, Untouchable]
誘拐についての記述
P62 壮絶!的中突破
[Pace a chi entra, Peace for new comer,ロシア語原題不明]
ペリフェリーア
[Periferia,邦題不明]
「ピストルは撃つもの」への反論
P63 七年目の浮気
(トム・イーウェル)
[Quando la moglie e'in vacanza, The seven year itch]
恋に落ちて
(デ・ニーロ)
[Lo shirro, Falling down]
刑事バレッタ
(ロバート・ブレイク)
[Baretta, 米テレビシリーズ]
フォーリングダウン
(マイケル・ダグラス)
[Un giorno di ordinaria follia, Falling down]
ニューヨーク市警物語
(デニス・フランツ)
[New York police department]
5例すべて上着の下の半袖シャツの例
P63 パーフェクトワールド
(ブラッドリー・ウィトフォード)
[Un mondo perfetto, Perfect world]
射殺部分の長い引用
P75 (ジャック・パランス)
謎の男が似ている
P79 クマゴロー
[L'orso Yoghi, Yogi bearテレビシリーズ]
周りを気にせず進んでいく例え
P79 ランボー
[Rambo, First blood]
携帯の着信音がこれのテーマ
P92 刑事コロンボ
[Colombo, Columbo]
善良そうで腹黒い例え
P94 いつもの見知らぬ男たち
(ティベリオ・ムルジア、モニチェッリ監督)
[I soliti ignoti,英訳Big deal on Madonna street]
ウェイターの教え
P95 (スティーブ・マックイーン)
表情が似ている
P95 リコッタ
(オーソン・ウェルズ)
[Ricotta-Ro.Go.Pa.G]
マンマ・ローマの詩の部分の長い引用
P123 ルガンティーノ・ローマよ今夜はふざけないで
(チェレンターノ)
[Rugantino]
ローマなまり
P124 「ガスマンがプリンをすするときのよう」 映画の引用に違いないのですが、これはどの映画か分かりませんでした
P138 (スタンリオとオッリオ)
時の流れ ~の時代から
P138 パーフェクトワールド

ビデオを見ながら語り合う
P141 リコッタ
ボーイではなく新聞記者に読んで聞かせたんだ
P145 カスダンの映画
(スティーブ・マーティン)
コマーシャルを見て連想する
P145 トトの口癖
もうかんべんしてくださいよう
P165 グランドキャニオン
[Grand Canyon]
恋の降る町
[Pazzi a Beverly Hills, L.A.story]
たばこのおかげでカスダンの映画のタイトルを思い出す
P173 ベラクスルス
(バート・ランカスター)
[Vera Cruz]
記憶に自信がない
P177 羊たちの沈黙
[Il silenzio degli innocenti, The silence of the lambs]
~のように拘束して救急車に乗せる(原文はHunnibal the Cannibalだったのですが)
P184 ベニスの愛
(フロリンダ・ボルカン、トニー・ムサンテ)
[Anonimo veneziano,英訳The anonymous venetian]
この女は二人ともに似ている
P201 グレイストーク・ターザンの伝説
(クリストファー・ランバート)
[Greystoke-The legend of Tarzan]
あのように手を重ねたい
P215 タランティーノの映画 撃ち殺す前にどうしようかと考える
P234 8 1/2
[Otto e mezzo,8 1/2]
人生の終わりは~のように楽しいと思っていた
P273 スネークアイズ
(ハーヴェイ・カルテル)
[Occhi di serpente, Snake eyes]
妻と一緒に見たなあ


思った以上にたくさんありましたねえ。作者も映画が大好きなんですね。 アメリカ文学の翻訳もしている人らしいです。 敗戦国であるイタリアは、日本と同じ様に、アメリカの強い影響の下で戦後の時代を過ごしたんですね。
私も子供時代の楽しみはアメリカのホームドラマでした。 「パパ大好き」とか「名犬ラッシー」とか・・・「クマゴロー」や「トムとジェリー」、 それから「ララミー牧場」に「ローハイド」、「捕虜収容所」や「コンバット」も見ましたっけ。
調べたわけではありませんが、イタリアでも同じようなものを見ていたのかもしれませんね。 ああそれから、コロンボはまた再放送をしてますねえ。
他にも車の固有名詞や様々なディテールで、主人公が日本にいる我々と同じ時代を生きているのを感じます。
リストに間違いなどがあればお知らせください。


2009-03-09