多くの現代人に共通する表面的な日常を過ごすうちに、 自分はほんとうは何を感じているのかさえ あやふやになってしまっている男が、 妻の死を受け入れるために自分の心と向き合い、 娘とともに蘇生していくストーリー。 イタリアで2005年に発表され、2006年度のストレーガ賞 (実績のある小説家に贈られる、イタリア文学界最高の賞) を受賞し、2008年には映画化もされている作品です。
【著者】サンドロ・ヴェロネージ(Sandro VERONESI) 1959年フィレンツェ生まれ。プラート在住。 1985年「ヴィクトルユーゴーと近代における修復」についての論文で、フィレンツェ大学建築学科を卒業。 日本でも公開された「イタリア式、恋愛マニュアル」(2005年)の監督・原案・脚本のジョヴァンニ・ヴェロネージの兄。 前作の『過去の力(La forza del passato)』 (シーライトパブリッシング発行)は、 2000年のカンピエッロ賞、ヴィアレッジオレパーチ賞を受賞し、世界16言語に翻訳されている。 【訳者】大谷 敏子(おおたに としこ) 福岡県生まれ。京都大学文学部卒業(国語学国文学専攻)。ホームステイのイタリア人留学生を受け入れたのを機にイタリア語の勉強をはじめる。趣味は朗読、チェロ演奏。