ユーモア溢れる語り口で、軽快に、そしていつものとおり(?) 思いがけない方向に展開していくイタリアン(ヒューマン)・コメディ最新作! ---------------------------------------------------------------------------------------------- 町に一つしかない映画館で、「ラストタンゴ・イン・パリ(※)」が上映されることになった。 観る? 観ない? 行くなら誰と? この映画をきっかけに、アデライデの人生は大きく動き始める。 イケメンの不良青年エルネスト・タッリャフェッリ/通称〈タッリャ〉、 ゴシップ好きなご近所のティレッリ夫人、 それにキレやすいが根は優しいペッツァーティ准尉とその部下たちが加わって、 尾行、タバコ密売、コモ湖上での夜の追跡劇…… と、次々に事件が起き、てんやわんやの大騒ぎが巻き起こる。 はたして「すてきな愛」とはどんなものなのか、そして誰のもとに訪れるのか? ※ ラストタンゴ・イン・パリ イタリアの鬼才ベルナルド・ベルトリッチ監督が若干三十歳にして撮った作品で、 1972年12月に公開されると同時に世界中で「芸術かポルノか」という議論を巻き起こした。
【著者プロフィール】 アンドレア・ヴィターリ(Andrea Vitali) 1956年イタリア、コモ湖畔のベッラーノ生まれ(本書の舞台)。 ミラノ国立大学医学部を卒業後、故郷で医者の仕事に従事する。 1990年に「Il procuratore」で作家としてデビューし、「L'ombra di Marinetti」で 1996年度のピエロ・キアラ文学賞、 さらに「La fi glia del Podestà」で2006年度のバンカレッラ賞を受賞。 そして「ブティックの女」で、2008年のイタリア・ヘミングウェイ賞を受賞している。 故郷ベッラーノを舞台とした小説を書き続けており、著作は40冊以上になる。 【訳者プロフィール】 山下 愛純(やました あずみ) 1982年滋賀県生まれ。 東京外国語大学外国語学部欧米第二課程イタリア語専攻卒。 商社でイタリア食材の輸入販売に携わった後、翻訳の世界に入る。