「イタリア国内でラジオを点ければ聴こえてくるが如く日本でもイタリアPOPSを普通に聴けるようにしたい」との想いを込めてイタリアのPOPSを紹介するコーナーです 12.2012年サンレモ音楽祭 / ~ ”きいてみ~よ!” イタリアPOPSのススメ ~ 第12回


12.2012年サンレモ音楽祭 / 
~ ”きいてみ~よ!” イタリアPOPSのススメ ~ 第12回
《Piccola RADIO-ITALIA(ピッコラ・ラディオ=イタリア)》

 2012年2月14日(火)から2月18日(土)にかけての5日間、イタリアの国民的音楽イヴェント『62°Festival della Canzone Italiana di Sanremo / 第62回サンレモ・イタリアの歌フェスティヴァル(通称:サンレモ音楽祭)』が開催されました。

 第62回という数字が示す通り、1951年の第1回開催から毎年欠くこと無く、62年間の連続開催を誇る、世界最長の音楽イヴェントといって良いかと思います。

 2012年のサンレモ音楽祭の最高視聴率は最終日の57.72%。最低視聴率は2日目の39.27%。5日間の平均で47.30%と、絶頂期は過ぎたとはいえ、サンレモ音楽祭はまだまだイタリアでは国民的な人気番組であり続けています。

 総合司会は、昨2011年に続いてイタリアの国民的人気歌手Gianni Morandi(ジァンニ・モランディ / 68歳 / Monghidoro出身)が務めました。

--------------------------2012年サンレモ音楽祭 上位入賞曲------------------------------------------

優勝
"Non ? l'inferno (地獄ではない)" / Emma (エンマ/28歳/Firenze生まれPuglia州Lecce近郊育ち)



※ソロ女性歌手がサンレモ音楽祭で優勝するのは、2003年のAlexia(アレクスィア)以来、実に8年ぶり。


2位
"La notte (夜)" / Arisa (アリーザ/30歳/Basilicata州Potenza生まれGenova育ち)




3位
"Sono solo parole (それは単なる言葉)" / Noemi (ノエミ/30歳/Roma出身)



※ソロ女性歌手が上位3位を独占するのは、1999年(Anna Oxa, Antonella Ruggiero, Mariella Nava)以来13年ぶりの出来事となりました。


一方、栄誉あるMia Martini賞(批評家賞)は、Samuele Baersani(サムエレ・ベルサーニ)が獲得し、男性歌手の面目を保つことが出来ました。

"Un parone(ボールがひとつ)"/ Samuele Bersani(サムエレ・ベルサーニ/42歳/Rimini出身)




Eurovision Song Contest(サンレモ音楽祭に倣って開始された、ヨーロッパ圏の国々の代表が競うコンテスト)出場権を勝ち取ったのは、Nina Zilli(ニーナ・ズィッリ/32歳/Piacenza出身)




---------------------2012年サンレモ音楽祭/新人部門 上位入賞曲-------------------------------------

優勝
"? vero (それは本当)" / Alessandro Casillo (アレッサンドロ・カズィッロ / 16歳 / Asago出身)




2位
"Nella vasca da bagno del tempo(時のバスタブの中で)" / Erica Mou(エリカ・ムー / 23歳 / Puglia州Bisceglie出身)




3位
"Incredibile(信じられない)" / Iohosemprevoglia(イオオセンプレヴォッリァ / 意:僕はいつも望む / Puglia州Monopoli出身)




4位
"Guasto(ダメージ)" / Marco Guazzone(マルコ・グァッツォーネ / 24歳 / Roma出身)



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 今回のサンレモ音楽祭2012は、近年の通例となっている第四夜のゲストを招いての共演ステージに加え、第三夜に『VIVA L'ITALIA nel mondo』と題した世界的に著名なイタリアの楽曲を外国から著名なアーティストを招いて共演するという一大企画となり、この企画限定での賞は、Marlene KuntzがアメリカからPatti Smithを招いてのパフォーマンスに贈られました。

"Impressioni di Settembre(9月の印象/PFMの楽曲)" / Marlene Kuntz feat. Patti Smith(マルレーネ・クンツ feat. パッティ・スミス)



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 サンレモ音楽祭の第1回大会は、イタリアのリビエラエリアに位置するSanremo市が、冬の観光客減をリカバリーするため、この避暑地として有名な観光都市のカジノで音楽コンテストを始めたことで1951年に産声を上げました。

 この第1回大会からずっと貫いているサンレモ音楽祭のルールは:
1. 『歌』そのものの善し悪しを審査対象とすること(歌手のコンテストではない)
2. 音楽祭初日までに未発表楽曲であること(音源発売やコンサート披露していないこと)
3. イタリア語(イタリア標準語)で歌われる楽曲であること

※1については、1972年から『1曲=1歌手』の方法に改められたことと、カンタウトーレ(シンガーソングライター)が台頭し、自作の曲を歌うことが多くなってきたことなどから、次第に『歌手のコンテスト』の様相を呈してきていることは否めません。

※2については、2009年に実験的に一部解禁となり、2010年からは新人部門に限っては、会期前からWebサイトでその楽曲を披露することとなりました。
(Webサイトでの投票でサンレモ出場権そのものを争う方式が取られています)

※3については過去何度か『例外扱い』で、方言の歌で出場する歌手がいましたが、もちろん上位入賞は果たせていないので、あくまでも『余興』的な扱いのようです。

 また、近年のサンレモ音楽祭のランキングとセールスランキングが必ずしも一致しないのが通例。真の成功レースは、サンレモ開催を待って一斉にCDが発売となった今後となります。さあ、2012年の年間アルバムチャートの上位に入るのは誰??

※サンレモ音楽祭2012の詳細解説記事は、筆者の公式サイトをご覧ください。
〔サンレモ音楽祭2012の詳細解説記事〕

Piccola RADIO-ITALIA
YoshioAntonio こと 磐佐良雄

***** 『第82回 イタリアPOPSフェスタ』開催のお知らせ(予定の内容) *****
★ サンレモ音楽祭2012特集
★ Pooh来日特集
★ イタリアで最近リリースされた話題作から

日時:2012年3月10日(土) 17:15~21:30 (16:45開場)
会場:東京・JR亀戸駅 徒歩2分
定員:先着20名様
参加費:無料
※お申込み&詳細は以下のサイトまで。
『ピッコラ・ラディオ=イタリア』
http://piccola-radio-italia.com/


参加者層は、イタリアPOPS初心者からヘビーリスナーまで、大学生から60歳過ぎの方まで、幅広い方々が集まります。初心者やお一人様でのご参加、大歓迎です!


”きいてみ~よ!” 
~ イタリアPOPSのススメ ~ 第12回
2012-02-24